ひろしまアニメーションシーズン2022

JOURNAL ジャーナル

2022.11.15 AIR活動報告 公式レポート

【ナタ・メトルーク:マンスリー・レポート】2022.10

Nata Metlukh

H-AIR Monthly Report: October 2022

短編映画 “Off-Time” 

新たなショットをいくつか作りました。残り3週間のレジデンス期間中には、ラフなアニメーションの作画に専念したいと思います。

旅行 

自分自身の「オフタイム」もしっかり過ごすため、瀬戸内国際芸術祭を訪問し、瀬戸内海の島々を旅しました。大成功の体験で、3日間だけでしたが、2週間くらいの体感がありました。 

3つの島を訪問しましたが、それぞれ特有の雰囲気がありました。神秘的な作品やインスタレーションも発見しました。どの美術館もギャラリーも建物がユニークで、周囲の自然と調和していました。このような旅は自分とって新しいものでした。多くの作品がイマーシブで、複数の感覚を喚起します。  

最も印象的だったのは、視覚と空間をめぐる3つの部屋の展示でした。写真撮影は禁じられていたので、かわりにスケッチをします。

最初の部屋は暗闇です。完全に光がなく、目を開けていても閉じていても区別がつきません。視覚がない状態では、それ以外の感覚が研ぎ澄まされます。  

2つ目の部屋も視覚を扱います。目が痛くなるほどに明るい青の照明に照らされると、その後は光がオレンジ色でふくらんで感じるのです。

なかでも3つ目の部屋が一番印象的でした。カーブした空間で、天井には穴が空いていて、地面には水たまりがあります。床には小さな穴が開いており、ゆっくりと水滴を流す排水システムがあります。床もまたカーブしており、水滴は少しずつ水たまりに溜まっていきます。水滴が流れに合流し動き回る光景は、終わることなく瞑想が続くようで、とても魅力的でした。  

この空間にいることで、最初は「すべてが芸術になりうる」と、次に「最もシンプルなものが最もパワフルである」と、最後には「人は単なる水たまりを見るために地球の裏側から飛んでくることもある」という感想を抱きました。

中学校の文化祭 

私が鳥のワークショップをした城山中学校で文化祭があり、招かれました。私がしたのは単純なワークショップだったわけですが、それが途方もなく大きなものになったことに驚きました。300人の生徒と先生が皆で羽ばたく鳥やクリーチャーのアニメーションを作り、11分の映像作品になったのです。私のアニメーション・エクササイズが何名かの生徒の映画制作に対する興味のポテンシャルを引き出し、おそらくそのうちの誰かは将来アニメーション作家になるのではないかと思うと、とても嬉しいです。  

GIF 

「アニメーション用語集」のプロジェクトの一環として、「ラフ画」と「清書」のGIFアニメーションを作りました。アニメーションの用語を、象徴的なかたちでアニメーション化するものです。