ひろしまアニメーションシーズン2022

PROGRAMプログラム

ワールド・コンペティション

ワールド・コンペティション:物語の冒険
SCREENING

スケジュール

8.20 Sat. 18:00~ @大ホール
8.21 Sun. 13:30~ @横川シネマ
本プログラムは「ワールド・コンペティション:光の詩」とあわせてご覧いただけます。

プログラム概要

アニメーションならではの新しい物語の語り方を追求・発明している作品を対象とするカテゴリです。

上映作品一覧

レギュラー
ナタ・メトルーク
アメリカ

この物語は、フォントを主役とするグラフィックデザインの世界を舞台としている。彼らはその特性に従って環境と相互作用する。ボールドはすべてを太くし、イタリックはものを傾け、等幅はオブジェクトの幅を均等にする、等々。フォントたちは庭造りを担当することになり、5人のボクシングの魔法使いたちがさっそく飛び入り参加して、仕事ぶりを点検している。ネガティブスペースの嵐がすべてを洗い流してしまうが、レギュラーがやってきて庭を修復してくれる。

ナタ・メトルーク

ナタ・メトルークは、サンフランシスコを拠点とするウクライナ系アメリカ人のアニメーション作家である。デジタル手描きの技法で、視覚的に大胆で、キャラクター重視の作品を制作している。彼女のストーリーは、不条理と一般的なものの非親和化に基づくものである。ナタの作品は、主要なアニメーション映画祭で認められ、数々の賞を受賞している。

バク転
ニキータ・ディアクル
ドイツ

バク転を試みるのは安全ではありません。​​首の骨を折ったり、頭から着地したり、手首にひどい衝撃を受けたり。どれも素敵ではないので、私のアバターにやってもらうことにします。機械学習の助けを借りながら、6コアのプロセッサーで実践します。プロセッサは最新のものではありませんが、それでも1回の反復で6回のジャンプを計算します。1回の反復に1分かかるので、1時間で360回、1日で8640回のジャンプができることになります。私だったらこんなに跳べませんよ。

ニキータ・ディアクル

ニキータ・ディアクルは、ロシア出身でドイツを拠点に活動する映画監督である。『Ugly』『Fest』といった作品で知られ、世界各地の映画祭で高い評価を得ている。自発性、ランダム性、エラーを取り入れたダイナミックなコンピュータ・シミュレーションが彼の作品の特徴である。

三世代物語
パウリナ・ジオウコウスカ
ポーランド

子供が生まれる。娘が母になる。母は祖母になる。祖母は…ただ死にたい。世代交代。家族は他人の立場に立つことが必要となる。将来の役割に向けて一歩踏み出す。だがそうなのか?これは単に人が踏み出す一歩なのか、それとも世代のダンスへの誘いなのか?実の母親になることから脱出するために、一歩前進、二歩後退。

パウリナ・ジオウコウスカ

パウリナ・ジオウコウスカは、ポーランドの映画監督、2Dアニメーター、イラストレーターである。ポーランドのウッチ映画大学でアニメーションを学び、それ以前はヴロツワフでグラフィックデザインと美術史を学んでいた。彼女のデビュー作 『Oh Mother!』(2017)はFumi Studioによって制作され、世界中の多くの映画祭で上映された。次作 『Bless you!」(2018)は、第68回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門(14plus)で特別賞、ザグレブ国際アニメーション映画際で特別賞を受賞している。現在、パウリナはポツダムのコンラート・ヴォルフ映画テレビ大学でDAADの奨学生として働いている。現在、『Procrastination Yoga』という新しい映画に取り組んでいるが、先延ばしにしてしまうため、完成までしばらく時間がかかる

目の見えない作家
ジョルジュ・シフィアノス
ギリシャ

本作のドローイングは、目隠しをして、つまりドローイング中は見ずに触覚だけを手がかりにして描かれた。この制約により個々のドローイングは解体され、観客の頭の中で全体として組み立てられるようになる。この映画は盲人のように手探りで進んでいく。これはドグマや確信に疑問を抱く作家の戸惑いを反映している。世界の複雑さに直面し、人と人との関係に対する永遠の疑問や政治的・形而上学的な疑問が生じる。 「誰が宇宙を創ったのか?」「神」「では誰が神を創ったのか?」 既成のイデオロギー的な答えを前にして、作家は自分の無力さを認め、彼の盲目は現実よりも比喩的である。「見る」とはどういうことか?私たちが見ているもの、つまり外観は現実を反映しているのだろうか?観客は彼/女自身の答えを出すことを求められる。彼/女は、彼の知覚がそうであるように、ドローイングのバラバラな描線を意味あるものにするために組み立てることによって、決定しなければならないのである。

ジョルジュ・シフィアノス

ジョルジュ・シフィアノスはギリシャ生まれ、ソルボンヌ大学でアニメーション美学の博士号を取得。1995年にアニメーション学科を設立したパリの国立高等装飾美術学校の名誉教授であり、映画監督である。ヨーロッパ、インド、韓国、日本、中国の大学など、世界各地で講演を行っている。 PSLの学術研究グループSACRe(EA 7410)のメンバーとして、特に認知科学の観点から、アニメーション映画の形態の刷新に関心を持つ。『目の見えない作家』で採用された目隠しアニメーションの手法は、この研究の一部である。また、パルテノン神殿のフリーズに見られるアニメーションの形態についても研究している。著書『アニメーション映画の美学』は、2014年にアニメーション学会による最優秀学術書賞「McLaren - Lambart」賞、2015年に「ヘミングウェイ助成金」を受賞した。

ボクのパパの憎っくきカメラ
ミロス・トミック
スロベニア

ほとんど自暴自棄になっている無鉄砲な少年は、それゆえに厄介な方法で、執拗に写真家である父親の関心を引こうとする。​​父の芸術的な混沌や写真への執着を目の当たりにし、成長する過程で、それらはやがて父と息子の絆を深めるために必要不可欠なものとなっていく。手描きとコラージュ技法のストップアニメーションを絡めたストーリーで、作者はスロベニアの写真家Dragisa Modrinjakのアーカイブに観客を誘うと同時に、映画監督として、また父親としての個人的な経験をもとに描く。

ミロス・トミック

ミロス・トミック (1976)は2001年にベオグラード芸術アカデミー映画監督科を卒業。プラハ芸術アカデミー映像学部のPetar Skalaのクラスでアニメーションの修士号を取得。また、映画や写真の素材としての廃棄物に関する論文で博士号も取得。2009年よりベオグラードに在住し、シンジドゥヌム大学で短編ビデオ形式を教えている。2013年、セルビア代表としてヴェネチア・ビエンナーレに参加。これまでに60本以上の短編劇映画、ドキュメンタリー、実験映画、アニメーション映画を撮影し、数多くの映画祭で上映されている。

原初的なるものたち
ジェナジ・ブトー
ベラルーシ

シンプルな図形が織りなす複雑な人生。

ジェナジ・ブトー

ジェナジ・ブトー(1983年生まれ)はベラルーシ出身のアーティスト、監督、アニメーター。ベラルーシ出身で、ベラルーシ国立芸術アカデミーをデザイナーとして卒業。広告、ミュージックビデオ、映画などのモーションデザイン、VFXを手がける。2011年にロシアのサンクトペテルブルグに移り、長編アニメーション映画のクラシックアニメーターとして働き、その後、様々な大手アニメーションスタジオで長編アニメーション映画やアニメーションシリーズの絵コンテアーティストや監督として働く。同時に、インディペンデントな実験的短編映画、短編アニメーション、アニメーションミュージックビデオなどの制作も続けている。彼の作品は、複数の国際映画祭に参加し、受賞している。

フィルモグラフィ LOLLIPOP(2009), IT (2015), 283 FROGS (2016), 156 PIGEON (2016), IMPRINTS (2016), THE MARK (2016), KILLER FILM (2020), VIDEO SEANCE#1 (2020), COMPRESSION. SWAN LAKE (2020), Attempt#01, Attempt#02 (2020), Film "X" (2020), ANIMATORS FOR BELARUS (2020), TOO BIG DRAWING (2021), ONE NIGHT SOMEWHERE (2021), THE PRIMITIVES (2021), THE JUMP (2022)

ミニミニポッケの大きな庭で
幸洋子
日本

縮んだはずが膨らんで、浮かんだときは沈んでる。 離れたつもりが繋がって、見てると思えば見られてる。 観察、記録、実験しながら日々を紡いだ、いとをかしアニメーション詩。

幸洋子

1987年日本の愛知県生まれ、東京都在住。日常の出来事からインスピレーションを受け、様々な素材を使ったアニメーション作品を制作している。主な作品に、幼少期の曖昧で不思議な記憶をもとにした『See ya Mr.Banno!』、海辺の町で出会った見知らぬ人との一日を描いた『Zdravstvuite!』、現代アーティスト鴻池朋子の詩をもとにした『A Snowflake into the Night』、音楽家清水煩悩と共同制作したミュージックビデオ『ShalaBonBon』などがある。

ダーウィンの手記
ジョルジュ・シュヴィッツゲーベル
スイス

英国化した3人の原住民の祖国への帰還、あるいは彼らを破滅させる現代社会との出会いの始まり。

ジョルジュ・シュヴィッツゲーベル

ジョルジュ・シュヴィッツゲーベルはジェネーブ装飾美術大学で学び(1960-65)、その後、広告代理店に勤務する。1970年にGDSスタジオを設立し、短編アニメーションの制作と監督を始める。『イカルスの飛翔』(1974年)から『ダーウィンの手記』(2020年)までの約20作品を監督し、そのほとんどが国際的な賞を受賞している。『78回転』(1985)、『破滅への歩み』(1992)は、2006年アヌシー国際アニメーション映画祭の「最も記憶に残るアニメーション映画100選」に選ばれている。

宇宙を呑みこめ
ニェット
フランス

満州の深いジャングルに迷い込んだ幼い子供の、壮大な血と雷の物語。それまで完璧に組織化されていた動物相の原始的な世界に、彼の突然の出現で完全な無秩序がもたらされる。

ニェット

ニェットは、動物保護主義者とハレー・クリシュナから迫害されている倒錯主義的なアーティストである。彼の映画とパフォーマンスは、狂気の実験であり、経験である。