ひろしまアニメーションシーズン2022

PROGRAMプログラム

特集上映

【特集:現代日本】 特集上映「日本のインディペンデント・アニメーションの海原に飛び込め!ーJAA 日本アニメーション協会プログラムー」 
ゲスト:水江未来
SCREENING TALK

スケジュール

8.21 Sun. 15:55 @中ホール

プログラム概要

JAA 日本アニメーション協会は、アニメーション文化振興のために1978年に発足した団体で、幅広い年代の会員が所属しています。今回はアラウンド80年代生まれの作家たちをピックアップして、作家個人の思想が色濃く反映される短編アニメーションのディープな世界をご紹介いたします。

キュレーター:水江未来

上映作品一覧

「CHAI / 愛そうぜ!」
水江未来
日本

"NEOかわいい4人によるガールズバンド""CHAI""。彼女たちは、太古のダイナソーたちによる生命の宇宙曼荼羅の中から同時に生まれる。 彼女たちは自由に変形し、分裂し、自由に飛び回る。彼女たちを押さえつける障壁はない。やがて彼女たちの内側からダイナソーたちが生まれてくる そして、CHAIとダイナソーたちの間には友情が芽生え、再び宇宙曼荼羅を形成し、CHAIはスーパーゴッドCHAIへと変貌し、脳内から別の宇宙へとワープしていくのだった。"

水江未来

"「細胞」や「幾何学図形」をモチーフに、ノンナラティブな表現を生み出す、アニメーション作家。 見る者の目を奪う独特な抽象アニメーションで知られ、インディペンデント・アニメーションやMVなどを幅広く手がける。 現在は初の長編アニメーション『水江西遊記(仮)』の製作の準備に入っている。"

「King Gnu / Prayer X」
山田遼志
日本

山田遼志

2013年多摩美術大学大学院グラフィックデザイン専攻修了。2018年文化庁海外派遣研修員として、ドイツのフィルムアカデミーに留学。現在mimoidに在籍。女子美術大学短期大学部非常勤講師。広告映像に携わりながら作品制作を行う。アヌシー国際アニメーション映画祭をはじめ国内外の映画祭やメディアで上映、掲載、受賞。代表作に、King Gnu「PrayerX」、Millennium Parade「Trepanation」、OddTaxiオープニング映像、NHKアニメ・イン・ザ・ダーク「音を見る物語」など。

「Rain Man」
デコボーカル
日本

"悲しみの象徴であるレインマン、 ずっと泣いてばかりのレインマン、 けど、悲しみの中には虹があり光がありました。 悲しみと共存して生きていくことに気づいたとき、前に進むことが出来るのです。"

デコボーカル

"一のせ皓コと上甲トモヨシによるクリエイティブユニット。 イラストやアニメーションを中心とした、子ども向けから大人向けまで幅広く様々なコンテンツを制作し、ワークショップや地域活動などにも力を入れ活動をしている。 共に東京工芸大学芸術学部アニメーション学科1期生、 2009年に同大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻アニメーションメディア領域を修了する。在学時は古川タクに師事をする。 2010年にデコボーカルを結成、 2019年より一のせ皓コは故郷である山梨県市川三郷町「ふるさと大使」を務めている。"

「駐車場でアメを食べたね」
関口和希
日本

"結婚式を目前に控えたミヨは、招待していた親友に絶交されてしまう。  友情には賞味期限があることを知ったミヨは、幼く愉快だったあの頃に思いを馳せる。"

関口和希

多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース、東京藝術大学大学院アニメーション専攻卒業。柔らかい描線で描かれたキャラクターによる手描きアニメーションを制作している。

「RED TABLE」
キムハケン
日本

両目をサングラスで隠した少年がゆっくりと赤いテーブルに足を運ぶ。そのテーブルには誰かによっておもちゃのレールがセッティングされていて、少年はおもちゃの汽車をレールに置いてスイッチを入れる。おもちゃの汽車がレールの上を走ると遊戯が始まる。

キムハケン

1982年韓国ソウル生まれ。2013年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。東京工芸大学アニメーション学科助教。他の作品に『ぐりうむ』(10)、『Awaiting』(11)、『MAZE KING』(12)、『Jungle Taxi』(16)。

「amazarashi / たられば」
久保雄太郎
日本

たられば/amazarashi のMV作品。歌詞の持つ強いストーリ性とメッセージを、やさしく語りかけるように制作。

久保雄太郎

"1990年大分県出身。インクなどの画材を用いて手描き、もしくは手描きの特徴と取り入れた、アニメーションを得意として制作。また、インディペンデントな制作以外にも、アニメーションスタジオで、監督やアバンクレジットの制作も行う。 【作品歴】 短編作品「Kicking Rock」BIAF2013(韓国)オンライン部門グランプリ 短編作品「00:08」がAnima Mundi2014 (ブラジル) ベストギャラリー賞受賞 長編アニメーション 「とつくにの少女」監督 映画「やがて海へと届く」アニメーション監督 TVアニメ「ヴァニタスの手記」1話アバンクレジット監督 日本アニメーション協会会員。"

「米津玄師 / パプリカ」
加藤隆
日本

米津玄師の楽曲「パプリカ」のMV。2019年8~9月のNHK「みんなのうた」としても放送された。
二人の兄妹が体験した一夏の思い出を描いている。夏休み、里帰り、お盆、夏祭りなど日本人の多くに共通する体験をベースに、生命と季節の移り変わりを躍動感あるアニメーションで表現した。
また、宮沢賢治「風の又三郎」に着想を得ており、昔の世代が親しんだ童話の精神を引き継ぎ、今の子供たちにアニメーションとして新たに提示したいと考えた。

「ヨルシカ / 月に吠える」
加藤隆
日本

二人組ロックバンド「ヨルシカ」の、萩原朔太郎の詩集『月に吠える』を題材に制作された楽曲のアニメーションMV。近代文学の再解釈が楽曲のテーマともなっている。
朔太郎の「悲しい月夜」の詩や「月に吠える犬」という言葉から、海辺の街を徘徊する孤独な青年像を思い浮かべ、孤独な詩人=犯罪者のように捉え、物語にした。 夜の街を徘徊する男、娼婦のような女たち、月夜の闘牛、人影の動物への変化、幽霊のように舞う服など、男の欲望と妄想が詩的に描かれる。
また、楽曲が文学から引用されているのと同様に、西洋近代絵画からの引用を行いたいと考え、ジャコメッティの「犬」、ピカソの「闘牛」、モネの「睡蓮」、ゴッホ「星月夜」などのイメージを受け、新たにアニメーションとして表現することを試みた。

加藤隆

アニメーション作家
絵画、ドローイングの技法を活かしたアニメーションを制作している。 主にミュージックビデオ、TV番組の短編アニメーションを制作。

「45R Official Site Animation 2019.9~2020.8」
姫田真武
日本

"ファションブランド「45R」のウェブサイトにて、2019年9月から2020年8月までの1年間、毎月1本が公開された各15秒の連作アニメーション。 落葉、大掃除、正月、桜、夕涼みといった季節の風物と、2人の男女の何気ない日々の暮らしの楽しみを描いている。"

姫田真武

"姫田 真武 / HIMEDA Manabu 1988年宮崎県生まれ。多摩美術大学大学院グラフィックデザイン領域修了。 作詞、作曲、歌、パフォーマンスなどを手掛ける自作自演のアニメーションシリーズ「ようこそぼくです」を中心に、TV、Web、映画などのアニメーション、イラストレーションを制作している。"

「カラスの涙」
鋤柄真希子/松村康平
日本

"夜明け前に霧が深く立ちこめる時はカラスの弔いが行われるという。 群烏が旋回の輪を作り、空から仲間の亡骸へ黒い羽を捧げる。 躯の魂は銀色のカラスとなって遥か上空を目指し飛翔する。 雲の中で魂とその死をよく知るカラスの記憶が融け合い、生命が引き継がれていく。"

鋤柄真希子

鋤柄真希子 1982年、大阪在住。京都工芸繊維大学後期博士課程単位取得退学。大学在学中よりマルチプレーン技法による手描きアニメーション制作を開始。2008年、処女作『蜉蝣』でNHKデジタルスタジアム今敏セレクション。『雪をみたヤマネ』(2010)、『やまなし』(2011)が国内外の映画祭で上映。2013年、『カラスの涙』で文化庁メディア芸術祭新人賞受賞。 5年をかけて制作した『深海の虹』(2019)が世界各国の映画祭で上映されている。現在最新作『LUNATIC PLAN(e)T』を鋭意製作中。 SUKIMAKI ANIMATION主宰。 "

松村康平

松村康平 1980年、大阪生まれ。京都工芸繊維大学修士課程修了。2000年代初期より映画、写真作品の制作を開始。また自作以外にも様々なアートシーンに於ける映像制作を手がける。2005年キヤノン写真新世紀優秀賞、Graz Art Bix Media Competition優秀賞。 近年では2010年ミラノサローネCanonブースの映像制作を担当、多数の作家が参加したJohn Cage 100th Anniversary Countdown Event 2007-2012の記録映像を完遂。2014年、《Scene Missing》がカンヌAVIFF にて上映された。

「BONZIE / alone」
佐藤美代
日本

アメリカを拠点に活動するシンガーソングライターのBONZIE(ボンジー)の楽曲”alone”の ミュージックビデオ。1人の女性の身体が、山や木、雨、川などの自然や現象と繋がっていく。

佐藤美代

愛知県名古屋市出身。2015年東京藝術大学大学院アニメーション専攻修了。 主な作品に「きつね憑き」(2015)、「あのねのかぼちゃ」(2018)。 各地の民話などを題材にした影絵や砂絵ライブパフォーマンスのほか、子どもや親子のための造形ワークショップを主催、企画している。現在、長野県在住。

「カラスは真っ白 / fake! fake!」
植草航
日本

カラスは真っ白「fake!fake!」のMVです。楽曲収録のアルバムのテーマでもある遊園地、箱庭というキーワードからインスピレーションを受け、主人公の少女が悪夢の中から脱出するまでのストーリーを描きました。音を聞いた時に頭に浮かぶ直感的な映像を目指し、音楽と映像とのシンクロを大切にした作品です。

植草航

"イラストレーター|アニメーション作家 1987年生まれ。大学院修了制作「やさしいマーチ-The Tender March-」が第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞。ゲーム会社に勤務した後、フリーランスを経て2017年より株式会社Pie in the skyに所属。"

「夕暮れの訪問者(ガラッパどんと暮らす村)
若見ありさ
日本

日本にはその地方特有の風習や民話・伝説などが数多く存在する。河童の伝承が多い宮崎県三股町長田狭で陶芸をしている方から伺ったお話をご本人の語りでアニメーション化した作品。その方が陶芸の材料としても使用している地元の新燃岳の火山灰を分けていただき、ガラス台の上で絵を描き撮影した火山灰アニメーション。

若見ありさ

アニメーション作家。主にガラス台を使用した砂絵アニメーションを制作。自身の体験から企画し制作をした出産にまつわるオムニバスドキュメンタリー・アニメーション「Birth-つむぐいのち」(2015)「Birth-おどるいのち」(2017)「Birth-めぐるいのち」(2020)がLos Angeles Documentary Film Festivalベスト監督賞、映文連アワード優秀企画賞ほか受賞。2020年度文化庁映画賞・文化記録大賞受賞の長編ドキュメンタリー映画「プリズン・サークル」(坂上香監督)アニメーション・パートを監督。2021年に制作したMV「Oyasumi~Lullaby of Flame~」と宮崎の民話や体験を集めて語り部さんと共に制作した「ガラッパどんと暮らす村」は毎日映画コンクールのアニメーション部門・大藤信郎賞にノミネートされた。制作以外にも、親子で楽しめるワークショップの企画も行っている。

「Mr.children / himawari」
半崎信明
日本

"とうの昔に生身を捨てて無機物になった人間の世界。 彼らの愛のかたちと喪失を描きました。"

半崎信明

半崎信朗 (はんざき としあき) 2007年、東京藝術大学大学院デザイン科修了後、フリーランスの映像作家として活動を開始。

「ろうろう」
長野櫻子
日本

"「自分」という存在を、いつからか自覚することができた。 自分が「自分」でしか生きられないと気付いたとき、他人を羨んだり、「自分」が嫌いになって悲しんだりしたけれど、「自分」という個、「自分」という身体で生きることの喜びがだんだんと芽生えてきた。 社会や宇宙という全体を構成する一つの個としての「自分」、そして「自分」の身体と「自分」の関係性、「自分」として生きることただそれだけで溢れてくる喜び。"

長野櫻子

福岡生まれ。 2016年 広島市立大学芸術学研究科造形芸術専攻修了 現在、情報科学芸術大学院大学在籍。 株式会社anno lab所属。 短編アニメーションや、アニメーションを用いたインスタレーション作品を制作している。

「栗コーダーカルテット / サウスポー」
冠木佐和子
日本

"栗コーダーカルテットがカバーしたピンク・レディー「サウスポー」のMVです。 小気味良いリコーダー演奏に合わせて生体が生き生きと踊り出します。"

冠木佐和子

フリーランスのアニメーション作家、イラストレーター。

「マイエクササイズ(短編映画版)」
和田淳
日本

これは誰のための運動なのか。いがぐり坊主と犬が織り成すエクササイズストーリー。

和田淳

"1980年兵庫県生。大阪教育大学、イメージフォーラム付属映像研究所、東京藝術大学大学院で映像を学ぶ。2002年頃から独学でアニメーションを制作しはじめ、「間」と「気持ちいい動き」を大きなテーマに制作を続けている。『わからないブタ』(10)がファントーシュ国際アニメーション映画祭でBest film、文化庁メディア芸術祭で優秀賞等国内外の映画祭で受賞。『春のしくみ』(10)がベネチア映画祭オリゾンティ部門で上映され、『グレートラビット』(12)がベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞を受賞、『秋 アントニオ・ヴィヴァルディ「四季」より』(18)が新千歳空港国際アニメーション映画祭で日本グランプリを受賞する。2017年には横浜美術館、2018年には兵庫県立美術館で個展『私の沼』を開催。また、ゲーム『マイエクササイズ』が2020年8月に発売。現在、新作短編『半島の鳥』を制作中。大手前大学准教授、大阪教育大学、京都精華大学非常勤講師、日本アニメーション協会会員。 "

『one day』
小谷野萌
日本

"あるところに、二匹の猫が一緒に暮らしている。 いつものように彼らの一日が始まり、二匹は普段通り、お互いのやるべきことをこなす。 日が暮れて、一匹は家に残り、もう一方は外に出かけることにした。"

小谷野萌

東京都出身。 2012年東京工芸大学芸術学部アニメーション学科卒業。 2014年東京 藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。 2015年ー2016年、デンマークThe Animation Workshopにてアニメーション作品を滞在制作。東京を拠点にアニメーション作家として国内外のCMや長編アニメーション、 ミュージックビデオなどの制作に参加。